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赤ちゃん返りの不思議

kage

2012/10/27 (Sat)

前回は孫の「赤ちゃん返り」のことを書きました。その続きです。

孫は頼みもしないのに母親の妊娠を機に見事に「赤ちゃん返り」の不思議を私の前で演じてくれました。

孫はこれから訪れる新しい事態にそこはかとない不安を感じ、また、
お兄ちゃんと呼ばれるようになるプレッシャーと戦っているようにも見えました。
彼は自分が持っているイメージのすべてを駆使して赤ちゃんを演じ、
赤ちゃんとは何かを探っているようでもありました。

私は赤ちゃんとなった孫をそのまま受け入れ、気の済むまで膝の上で愛情を注ぎました。
その後は遊んだり、散歩したり、食べたいと言ったものを一緒に作ったりして
ゆったり、そしてがっちりとかかわりました。

私に満足した孫は、お風呂はじいちゃんと入り、そして、送り帰す車内で安心して
ぐっすり眠りに入りました。

私は、次の日さっそく息子に電話を掛けました。
「子どもをあんなに不安にさせてはいけない。奥さんがつわりでつらいのなら、
あなたが頑張って家事をしたり子どもにかかわったりしないと。」と。

息子は半分自営のような立場で仕事をしています。
働いた分だけ収入になるという仕事で、顧客と会えるのは夜や土曜、日曜が多く、
嫁にしてみれば子育ての負担がかなりかかっているように思います。
(朝食の世話や、保育園への送りはしているいわゆるイクメンではあるのですが・・・)

「お金があっても親にかかわってもらっていない子より、
お金はなくても親にかかわってもらっている子どもの方が幸せなんだよ。」

次の日曜日、息子が孫を連れてやってきました。

最近は、サイズが小さくなったり、毛玉のついた服を着ていたり、気候に合っていない厚着だったり
薄着だったりで、そのことにも文句を言っていたのですが、この日は真新しい、サイズぴったりの服装に
調整用の上着も持って来ていました。

「昨日、服を買いに行ったもんね。」と息子。「サッカーもした。」と孫。
表情もよく、あの日保育園に迎えに行った時とは別人のようです。

私に甘えつくこともなく、じいちゃんと一緒に線路を組み立てて汽車を走らせたり、
終わったらちゃんと片付けてから、「つぎはどうぶつのバスね。」といって次の玩具を
運んできては遊んでいます。

散歩は4人で行きました。孫がみんなで手をつなぐと提案してきました。幸い田舎で車も来ません。
道いっぱいに広がって歩きました。

むかごをとったり、たわわに実った稲を観察したり、近所のおばあさんにクリをもらったり・・・
夕食はむかごごはん。今日は自分で作ったわけではなかったけどやっぱりたくさん食べました。

夕食後、お気に入りの絵本「うずらちゃんのかくれんぼ・きもとももこ さく」(福音館書店)を
持ってきて「ばーちゃん、よんで。」
ソファーの隣同士に座って読んでやりました。

最後、うずらちゃんとひよこちゃんがそれぞれのお母さんと家路につくシーンは
「やっぱりお母さんと一緒が一番だね」とアドリブ付にして終わりました。

にこにこで帰っていく孫を見て「お母さんとの時間も増えたんだね」と
胸をなでおろすことができました。


赤ちゃん返りを考える

kage

2012/10/21 (Sun)

どうも、嫁が二人目を妊娠しているらしい。
上の子が赤ちゃんを受け入れられようしっかり今から準備してね、
などと話している端(はな)から2歳10か月の孫がはいはいをしながら、寄ってきました。

以前は「赤ちゃんが生まれたらかわいいよね。」というといつも「イヤ」という答えが
返ってきていました。やはりお母さんをとられるのがいやだったようです。
ところが最近は「赤ちゃん生まれても大丈夫?」と聞くと、「ウン。」と頷いて、
だんだんそんなことが受け入れられるようになってきたんだと思っていました。
「ばあちゃんがあなたをいっぱい可愛いと言うから、あなたは赤ちゃんをよしよししてね。」

そんな折のはいはい。お母さんに説明が足りなかったかな?何しろ姑なもんで。気を遣います。

気になるので休みの日に少し早目の時間に保育園に迎えに行きました。
帰宅途中のスーパーでは、わざわざしてはいけないことをしてみたり、奇声をあげたり、
不安定な様子。

家に帰るとすぐに膝に乗ってきて、私のおっぱいに服の上から口を当てて飲むマネ。
「あかちゃんに なった」と孫。「あっそう。」と私。「そんなら反対もどうぞ。」

そうこうしているうちに私のむねに手を入れてきます。「ばあちゃん、オッパイ ない」
「確かに。お母さんに比べたら相当小さいね・・・(笑)」

赤ちゃん返りってこのことか~。

今から訪れる新しい状況に、どうしようもない不安を感じているようです。
また、年齢にもよるでしょうが、孫の場合は甘えっ子でよかったのにお兄ちゃんになるという
プレッシャーとも戦っているように思えました。

私は子どもを一人しか育てていないし、お母さん方の相談の中ではよく出て来る事柄では
あるけれど、子どもたちは私の前では赤ちゃんになってくれないので、どうして はいはいしたく
なるのか、どうしておっぱいや哺乳瓶をくわえたくなるのかよくわからないでいたのです。

でも、知識の範囲でアドバイスして、それなりに皆さんうまくいっているようで…
私としては複雑な気持ちでした。私自身まだ納得できていないのにって。
発達が後退するわけではないのにどうして「赤ちゃん返り」という状態になるのかな~と。

孫は私の膝の上で満足したら自分から「シュッシュッポッポッであそぶ。」

まったり、一緒に遊び、ゆったり花や虫を見つけながら散歩、そして夕飯作り、
これも二人でしましたよ。

「ばーちゃんのレーズンのごはんがたべたい。」というので、この子がカレーデビューする前に
食べさせていたターメリックライスを作りました。

しっかりした踏み台の上に立たせて、フライパンの上に油をタラリとたらさせました。
ここを触ったら熱いからねと何度も確認しながら、みじん切りのタマネギと砂糖をスプーンに一杯、
入れさせます。火をつけてあげて、木べらで炒めさせました。「次はレーズン入れてね。」
湯に戻して刻んでおいたレーズンの容器を渡しました。

フライパンに触らないように気を付けながら慎重に作業しています。そこにご飯を入れてあげて、
さらに炒めさせます。塩加減は私がしてあげて、仕上げのターメリック、
「10回振るよ、強くしすぎたらフライパンに手が当たるからね。」と脅して、瓶を渡しました。
「こしょうは2回ね。」さらに炒めて出来上がり。
初めて火があるところで作業をさせて、目も手も離せない状況に私も相当緊張していました。

サラダも野菜を洗ったり、適当な大きさにちぎったり、水切りをぐるぐる回したり、
ドレッシングを混ぜたり、ほとんどやってもらいました。

そして、野菜嫌いな自分が食べられると思う分だけ自分の皿に入れさせ、
私と夫の分も皿に取り分けてもらいました。「ばーちゃんにたくさんあげる。」

保育園に迎えに行ったときはどんよりした顔だったのに、なんだか活き活きした表情です。

最近、食欲がなく、痩せた印象でしたが、自分で作ったのでさすがにモリモリ食べました。
仕事から帰ってきたじいちゃんに「ぱっ、ぱっ」とか「ぐるぐる」とか自慢げに
作り方を説明しながらね。



子どもには謝らなくてもいいですよ

kage

2012/10/18 (Thu)

この前は「褒(ほ)めなくてよい」といったし、今日は「謝らなくていい」ですか?
子どもの療育にかかわる仕事をしているくせに変なことを言う人だと思われそうですね。

私は親が子どもを叱った後で「ごめん、ごめん」と謝っている姿を見ると腹が立ってきます。
謝るぐらいなら、子どもを叱るなと。

前回書いたように私は子どもをあまり叱らなくても十分にしつけができると思っています。
だから、少し叱りすぎとか、叱り方が強すぎとかで子どもに影響が出ていると思われる
お母さんにはやんわりと指導していきます。

教えたことがすぐにできないからイライラしますよね、
言っても言っても聞かないのでしょう。腹が立ちますよね、
でも、叱っても効果がないのならやり方を変えて見ましょうか・・・・云々。

それからは、一番困っている状況をお聞きして、お母さんの性格や子どもさんの発達の具合や
家族の状況やいろいろ加味して叱らなくても済む、そして叱るよりも効果のある方法を
教えていきます。

「それならできそうです。」と明るい表情で帰って行ったお母さん。

次回、「どうでした?」と聞くとたいてい「やっぱり怒ってしまいました。」という答えが
返ってきます。そして「でも、怒りすぎたときには、ごめん、怒りすぎたねと
謝るようにしています。」と付け加えるお母さんが案外多いのです。

「お母さん、謝らなくてもいいのですよ。」というとポカンとした表情をされます。

子どものために良かれと思ってやったことは謝らなくていいのですよ。
叱り過ぎたなと思えば、後で、膝の上に抱いてあげたり、いつもより1冊多く絵本を読んであげたり、
いつもはパパとお風呂だけれど、今日は一緒に入ってあげたり、黙ってフォローすればよいのですよ。

そして、その時に心の中で「次は叱らないやり方を実践してみよう」と決心してね。

大きな子どもさんになると、お母さんへの指導内容も理解している場合があります。
叱られた後で「先生に言いつけるから」と、子どもがお母さんを脅していたりします(笑い)。
そんな時は私が直接子どもに「誰のためにお母さんは叱ったのかな?」と聞きます。
皆、「僕のため。」と答えますよ。「それならお母さん、叱ってくれてありがとうでしょう。」
子どもさんは照れ笑いをしながらお母さんを見上げます。

お母さんは自分のために怒っていたハズなのに急に謝られたりすると子どもは不安になりますよ。
本当は僕のためではなかったのって。
それから、お母さんのいうことは正しくないこともあるんだ、
だからいうことを聞かなくてもいいんだ、ってね。

子どものためにと思ってしたことは謝らなくいいのです、イヤ、謝らないでください。
でも、うっかり足を踏んだとかは謝るのですよ。子どものためにやったことではないですからね。

それから、子どもがほかの人に迷惑をかけたときには子どもに謝りなさいというだけではなく
お母さんが代わりに一生懸命謝って、相手にいやな思いをさせたときは
謝らないといけないということを身を持って教えてあげてください。

少し厳しいとか少し甘いとかはどうでもよく、親が一貫性を持っていることがとても大切です。
そしてうまくいかないときはその場で態度をコロコロ変えるのではなく、熟慮、決断後、新たな
方法でまた一貫性を持つ必要があります。


甘やかした方がいいのか、厳しくした方がいいのか?

kage

2012/10/08 (Mon)

「子どもは甘やかして育てた方がいいのか、厳しく育てた方がいいのか?」
「愛情たっぷりに可愛がった方が方がいいですか、それとも子どもは叱った方がいいのですか?」

相談や治療中の子どもさんの保護者からだけではなく、近所の人や親戚からもよくされる質問です。

ごめんなさい。これは二者択一では答えられない質問です。

皆さんの子育て論は大きく二つに分かれているような気がします。

 ① 子どもを無条件に受け入れる。子どものしたいことはできるだけさせてあげる。褒めて育てる。
   のびのび育ってほしい。できるだけ叱らない。そのうちできるようになるだろう。
 
   → 他者から見ると、甘い、べたべた甘やかす、子どもの言いなりになっている

 ② 子どもをきちんとしつける。悪いときには悪いと叱る。時には体罰も仕方がない。
   子どもには善悪をはっきり教えないといけない。

   → 他者から見ると、厳しい、怖い親。子どもがかわいそう。萎縮して臆病な子になる。

なんか誤解しています。かわいがることとしつけることは相反する(あいはんする)ことではないと
思うのです。

私は相談者の子育てに対する考え方やその中での困り感、周りの人の態度、あるいは相談者の人格や
理解の程度を総合的に考えて、少し①寄りだったり②寄りだったりする子育てを提案していきます。

だから答えはいろいろに聞こえると思うのですが、基本的には次のことを理解していただく
ようにしています。

子どもの存在は無条件に受け入れられるべきもので、その子がいるから幸せだということを
伝え続けること。いっぱい抱っこして、いっぱいキスしてあげて。

しかし、ことの善悪は、子どもがはいはいして移動範囲が広がってきたころから少しずつ教えること。
危険なものに近寄るときにはきちんと止めて「ダメ」とか「アブナイ」とか簡潔に伝えてやること。

1歳半ぐらいからは、ものを投げたり他者を叩いたりする粗暴な行為につながるようなことも
きちんと止めてやること。叱るのではなく止めてさせないことが大切です。

危険なものは子どもから遠ざけとけばよいと思っている人もいますが、黙って遠ざけてばかりでは
子どもは触っていいものと悪いものがあるということに気が付きにくいし、
判らないときには大人に聞くということも身に付きません。

おもちゃの片付けができるようになって欲しいなら、このころから、一つ遊んだら、それを片付けて
また次を出すという習慣を身に付けますが、その時に確実にできるように手伝ってあげてください。
後ろから、片付けてというだけでは子どもはどうしたらいいのかわからないのですよ。

玩具を山のように出させておいてご飯だからと突然「片付けて」と言われても
子どもも途方に暮れるのです。それを「片付けなさいといったでしょう。」とか、
「何度言えばわかるの。」とか叱っただけでは何の進歩にもつながりません。
叱られるので情緒不安定になったり、僕は片づけができないダメ人間だと自分で思い込み、
いよいよ片付けられないようになるのですよ。

しつけをしないといけないことは山ほどあるでしょうが、3歳ぐらいまでに基本的なことをきちんと
教えていけばあまり叱らなくても子育てはできます。

できないことをやれやれというのではなく、子どもは学んでいる途中なのですから、手伝いながら、
うまくいく経験を一つ一つさせていけばいいのです。

それには大声で叱ることも体罰もいりません。

最初の質問に戻ります。

いっぱい抱っこして甘やかしてくださいね。でも、それは、よくないことを見逃してよいという
意味ではありませんよ。
また、同時に基本的な事柄は一つ一つできるようにしていきましょう。

穏やかに手伝いながら教えて行けばいいのですよ。できたという成功体験が何よりのご褒美です。
「できたね。」と穏やかに認めてやるのですよ。
大声で叱ったり、叩いたりしても上手にできるようにはなりません。

「甘やかす、可愛がる」と子どもを野放しにするというのは同じではありません。
「子どもをきちんとしつける」のと虐待は全然別の物です。

どうしても褒めて育てないといけないのですか?

kage

2012/10/04 (Thu)

叱るより褒めて(ほめて)育てなさい・・・よく聞く言葉です。
「やっぱり褒めないといけないのですかね?」という問いに私は Yes と答えたり No と答えたりします。

ある日、月に1回のことばの相談に3歳半の子どもさんを連れたお母さんがやってきました。
ことばが少し遅れていることと多動であることが3歳児健診で指摘されていたようです。

子どもさんの様子から、ことばのことを取り立てて気にしたり教えたりする必要はないと
判断しましたが、おもちゃの扱いが雑なことや注意が続かないことが気になる子どもさんでした。

そのことをお母さんに告げるとお母さんはため息交じりに
「やっぱり褒めた方がいいのですよね・・・褒めたいのですが何も褒めるところがないのです。」

健診の担当者や保育園の保育士、親戚の人などからさんざん褒めて育てろと言われるけれど、
うまくいかない。困ることばかりするのでついつい怒ってしまうということでした。

「褒めるところがないのなら無理して褒めなくていいですよ。」と私があっさり答えると
お母さんはポカンとした表情。

私、「それより、どんなことで困っているのですか?具体的に困っていることを話してください。」
母、「例えばすぐにおもちゃを投げます。」
私、「そんなときにお母さんはどうするのですか?」
母、「やさしく言い聞かせようとしますが、聞かないのでつい大声で叱ります。」

お母さんから叱られるのでますます落ち着かなくなって次の問題行動につながっているように
思えました。

私はお母さんに次のようにアドバイスしました。

  物を投げても叱るのはやめましょう。その代り、静かに次の玩具を差し出して「また投げる?」
  と聞きます。「ナゲナイ」と言ったら、「投げないほうがいいって知っていたんだね。」と
  善悪を知っていることをきちんと認めてあげましょう。

  「ナゲル」と言ったら「そう。」と静かに言っておもちゃを引込めましょう。
  それ以上は何も言わないで。そしたら「アッ、ナゲナイ」とあわてていうと思いますよ。

そして、私は子どもさんに話しかけました。「時々、おもちゃを投げたりするの?」
少し間が空いて「ウン」と小さな返事が返ってきました。
「そしたら、これ投げて」と投げても壊れないようなものを選んで子どもの前に差し出しました。
子どもさんはバツの悪い顔をして玩具を押し返しました。
「へーっ、投げたらいけないって知っているんだね。」
「ウン」さっきよりは元気な返事が即座に返ってきました。

お母さんは今更のように「ちゃんと、投げたらいけないって知っているんですね。」と納得。
知っているのに投げたらダメでしょうとか、まだわからないのとか言って叱っても意味がないですよね。

相談が終わり、親子でにこにこで帰っていかれました。

3か月後の経過観察。

母、「先生に言われたように、叱らないでどうするのかを言ってもらうようにしたら、
もう投げなくなりました。弟を叩いたりもしなくなったんですよ。」
保育園でも「落ち着いたね」と言われるようになったそうです。

私は「上手だね」とか「すごいね」とか「いい子だね」とか褒め言葉を使うことをアドバイスした
わけではありません。褒めることがないと言っているお母さんに嘘をつかせる必要はないのです。

ただ、ものを投げるのは悪いことだと知っているという事実を親子で確認し、
そのことを認めてあげてと言っただけです。
つまり、嘘をつくのではなくて良い方の事実を子どもにフィードバックするというだけです。

「褒めろ、褒めろ」という風潮は正直なお母さんたちを時に苦しめています。

賞罰で子どもを(大人までも)思い通りにするという考え方が、世の中の主流になっているようですが
私は、目先の賞罰が無くても子どもはしっかり育っていく力を自分の中に持っていると信じています。