FC2ブログ
2018 12 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2019 02

どうしてテレビを見せないでというようになったのか 3

kage

2019/01/29 (Tue)

私は以前(2012年8月)、少し硬い言葉で、緊張しつつ
テレビが子どもに及ぼしていると思われる影響について書きました。
その直後には自閉症とテレビについても当時の諸学会の見解と私の持論についてのべました。

しかし、今回は、その後の諸研究の成果も踏まえつつ、どうして私の気持ちが
こうも確固たるものになったのか、私の心の変遷を書こうとしています。
しかも、ブログを始めるずっと前の出来事から

いつも長文になってしまうのに
20年以上の出来事を振り返ろうとしている私、どれだけ長くなるのだろう・・・

1997年、何年かぶりに小児相手の仕事に戻った私は、子どもたちの様子の変わりように
驚きながらも、とにかく今の最先端を知らねばと、あらゆる機会を利用して、小児の療育や
リハビリに関わるような研修会などに足しげく参加しました。

当時は軽度発達障害に注目が集まり、どこに行っても似たような図が提示され
自閉症、注意欠陥多動性障害、学習障害といった発達障害の定義が説明されていました。

軽度発達障害

しかもそれらの障害は生まれながらの生物学的特性なのだという決まり文句が付いていました。
それからそれらの三つの障害は互いに重なり合い、境目のないスペクトラムであり、
正常発達との境目もスペクトラムとのこと

私は、勉強したことが流れてしまわないように、とにかく毎回、疑問に思うことを質問し
少しでも自分のものになるようにしようと決心していました。

専門医の医師が講師を務めることが多かったこのような研修会で私は話を聞いただけでは
ちっともすっきりしないことについて質問をぶつけてみました。

例えば、

 〈 質  問 〉 発達障害と思われる子どもさんが増えていませんか?
           環境とのかかわりはないのでしょうか?
  
〈 答 え 〉  発達障害は増えていない、障害の定義が変わったり、気が付かれることが
増えただけ, 生まれながらなのだから親の養育態度や環境は関係ない

(私の心の中: 幼稚園だって小学校だって教室の中がこんなに落ち着かなく
なっていても? )


〈 質  問 〉  生まれながらに脳の構造や機能に発達的特性があるということですが、
         それはどの部位にどのような変化があるのでしょう?
 
〈 答 え 〉 脳に何らかの違いがあって正常発達とは違う

( 私の心の中: それは1978年にエリック・ショプラーとマイケル・ラターが言った
まんまじゃない 20年も経って画像の技術や高次脳の研究も進んでいるんだから
どこがどう違うのか言って~ )


〈 質  問 〉 生まれながら他と違うという考えと、正常との境目が無いという考えには
            矛盾はないのですか?

〈 答 え 〉 人の素質そのものがスペクトラムですから

( 私の心の中: それって自閉症の遺伝子は単独で存在するのではなくて
多数の複合で症状が出ているって訳? 生活習慣病と同じってこと? )


質問にめんどくさそうにあるいは迷惑そうに答える講師もいれば、
親切そうだけれど歯切れが悪い講師

すっきりしなくてもそれ以上踏み込んでは聞けない雰囲気の中で私のストレスもたまる一方、
本屋で求めた何冊もの本にも同じようなことしか書いてないし、

そんなある日、著名な講師をずらりとそろえた2日がかりのセミナーに大枚をはたいて
参加してみました。

期待して参加したのにまた2日間、同じような話ばかり、
療育に関する話でも子どもに寄り添うとか、親に寄り添うとか、

( もっとすっきりした原因論とか、治療指針とか、
せめて、どう寄り添うのか位、もっと話してくれよ~ )


ちょうどそのころ米国の小児科学会の子どもとメディアに関する提言が出されたりしていたので
私は思い切って質問してみました。

「 昨今、米国小児学会が子どもとメディアに関する提言を出しましたが、
発達障害の子どもたちへも影響を与えているように思えるのですが・・・」

私は自分の臨床の経験からも障害の有無にかかわらずすべての子どもたちにとって
テレビなどの過度の視聴はよくないといいたかったのですが、

私の質問が終わらないうちにそのシンポジウムの座長をしていた女性がものすごい剣幕で
まくしたてました。

   「 また、テレビのことですか。いい加減にしなさい。あなたは発達障害を持っている
     子どもの母親を苦しめているのですよ。」

   ( またって、私、あなたとは初対面で、初めて質問したのですけれど・・・
   それにテレビを消した家では子どもの状態が劇的によくなり、親も子もニコニコして
   それを苦しめているなんて・・・)

など反論する余地もなく、私はマイクを取り上げられてしまいました。

あまりのことに私は唖然としてしまいました。

そうなんだ、この分野ではまだ1970年代の神話が生きているのだ、


私は自閉症をはじめとする発達障害のことをもっと知りたい、深く理解したい、
それを治療に活かしたい

小さい子どもたちに対するテレビをはじめとするメディアの影響についてきちんと説明できる
ようになりたい

という二つのことがらについて、自分自身で勉強していかなければという決意を持つように
なりました。


                  ( 続  く )