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子どもにどう「死」を伝えるのか

kage

2015/06/16 (Tue)

妹さんを交通事故で亡くされた方から、3歳のお子様にそのことをどのように伝えたらよいのか
というご質問を頂きました。



子どもの死生観の発達については私自身、しっかりとした勉強もしていないし、
臨床上の知見もありません。

だからあまり確たることは言えないのですが、私もちょうど3歳の時、
身近な人の死を経験したのでそのことを書きたいと思います。

私が3歳4か月の頃、病弱な私とは違い、元気いっぱいの2歳上の姉が少し具合が悪くて
3~4日床に伏していました。小児科で診てもらってもすっきりせず、
その朝は、特に調子が悪かったのでしょう。
父も仕事を休んで、母と一緒にまた小児科の診療所に連れて行きました。

私のことは近所の人に頼んでいたのでしょう。
私は家の前のちょっとした広場で近所の子どもたちと遊んで3人の帰りを待っていました。

狭い路地から、父が姉を抱いて帰ってきました。
そして一言、 表情を変えることなく「死んだ・・・。」と私に告げたのです。

それが私の人生一番目の記憶のシーンです。その場の風景、父の表情、姉の姿・・・

でも、その中に母の姿は見つかりません(もちろん一緒に帰ってきていたと思いますが)。

そして軒を連ねた近所の人たちが集まってきて何かざわつき始めました。

私は虫が死んだり、金魚が死んだりしたのを見た経験はあったでしょうから、「死んだ」という
言葉の意味は十分に知っていたとは思うのですが、人が死ぬということについては
何のイメージも待たず、だから、いつも一緒に遊んでいたはずの姉ですが、
その姉の死を告げられても、悲しいとか寂しいとか怖いとか何も強く思った記憶はありません。

ただ、呆然として成り行きを見ていたといったところでしょうか。
それとも記憶が無いだけ?定かではありません。


お葬式は自宅でしました。
狭い狭い家でしたから、きっと家の中も一杯で路地にも人があふれていたと思います。
そんな中、3人の僧侶が来られて、葬儀が行われました。

私が縁側に座っていると経を読み終わった3人の中のひとりのお坊さんが
そばに来てしゃがんで話をしてくれました。

「あなたが rainwoman ちゃんですか。
お姉さんの分まで勉強して、しっかり生きていくのですよ。」
というようなことを言われたと思います。それが私の人生2番目の記憶のシーンです。

どうしてそのお坊さんがわざわざ私のそばに来てそんなことを言ってくれたのか、
私は不思議に思い、返事もおそらくはできないままで、
後でそのことを母に告げたような気がします。

「あのね、一番きれいな着物(袈裟という言葉をしりませんでした。)を着た人から言われたの。」


後の父母の思い出話を聞くと母の落胆ぶりは相当なもののようでしたが、
私の記憶には母の乱れた様子など何も残っていません。

ただ、しばらくたったときに、母から
「お姉ちゃんは星になったんだよ。」と聞かされた記憶がおります。

きっと母は自分でもそう信じようとしていたのだと思います。


「へぇ~、人は死んだら星になるんだ~。」



ご質問の答えになったとも思えませんが、3歳位だと人の死の意味を真から理解するのは
難しいと思います。あまり神経質にならずに、そして、あまり詳しい理由なども話さずに
ただ亡くなったことを告げてあげるといいと思います。
特に事故だと、傷などが目に入らないようにとの配慮は要るでしょう。

今回、私の父の死についても子どもと孫達は(全員成人しています)大泣きをしました。
いろいろな雑用が山ほどある私たち子どもに比べ、孫たちはより純粋に祖父の死を悲しみ
ショックを受けた様子でしたが、6歳、5歳のひ孫は少し寂しい、
4歳、2歳、1歳の3人のひ孫たちはよく意味が解っていない様子で泣くこともありませんでした。

それぞれの親が安らかになった死顔を見せてやりながらもう
会えなくなることを教えてあげていました。

私の孫、5歳は、「おじいちゃん、いつもお小遣いくれていたのに、もうくれないの?
本当にそれでいいの?」と、横たわった曾祖父にやさしく問いかけていました。

その姿に泣いていた大人たちも少しほっとした気持ちになりました。     ( つづく )

   


    

この記事へのコメント

kage

ありがとうございます。

お忙しいところ、ご自身の経験を教えていただき、ありがとうございます。
伝え方はこれでよかったと思い、少し気持ちが軽くなりました。

小さいけれども、理解はしているんですね。
まだ、寂しいという気持ちは少し難しいようですが、母の姿を見て感じてくれたんだと思います。

rainwomanさんのお父様は、たくさんの孫、ひ孫さんたちにまで囲まれて見送られたんですね。
小さい子供がそこにいるだけで、あたたかくなります。
妹の葬儀でも、娘やいとこの子供たちがなぐさめになりました。

わざわざ記事に取り上げていただき、本当にありがとうございました。
続きも楽しみにしております。

Posted at 10:05:48 2015/06/16 by kupo05

この記事へのコメント

kage

kupo05さんへ

> お忙しいところ、ご自身の経験を教えていただき、ありがとうございます。
> 伝え方はこれでよかったと思い、少し気持ちが軽くなりました。

こちらの方こそお礼を言わなければなりません。
父が逝って、母の記憶が薄らぐ中、また、弟や妹が生まれる前の話、
私が一番、実家の歴史を知る人となりました。
そして私にとって大事な記憶の一番古いシーン、
忘れてしまう前にくっきりとはっきりと思い出すことができました。


> 小さいけれども、理解はしているんですね。

物事の理解は、その子どもの発達具合によってだんだんと変化していきます。
無理に、どこかで聞いたようなことを当てはめて気を配っても無駄なことも多く、逆によくないこともあります。

自然にしていれば、その子なりの消化の仕方をしていくと思うのです。
若干のストレスがあったとしてもそれはまた次へのステップへとつながっていきます。

ご家族が妹さんのことを愛されていたこと、その死を悲しいと思ったこと、
そして、何よりも娘さんのことを皆さんが大切に思われていること。
それで十分だと思います。

落ち着いたら妹さんとの楽しい思い出話など、時々聞かせて差し上げてください。

> 続きも楽しみにしております。

頑張ります。

Posted at 09:14:07 2015/06/18 by rainwoman

この記事へのコメント

kage

こんにちは。

rainwomanさんは幼少の頃に身近な人の死を経験されていたんですね。

私は幼稚園の頃にご近所のおばあさんが亡くなった時が初めてでしたが、思えば、昔は家での葬儀が普通だったので、親戚関係でなくても、お通夜や告別式を目にする機会が多かったですね。そうした経験を通して、死を理解していったような気がします。

Posted at 14:10:08 2015/06/19 by yuccalina

この記事へのコメント

kage

yuccalinaさんへ

yuccalinaさん、いつもありがとうございます。

そうですよね。私の幼少期は yuccalinaさんの頃よりもっともっと前でしょうから(笑)、
冠婚葬祭よく目にしました。花嫁さんの支度などもよく見ましたよ。

何かあるたびに近所の人が集まってきていろいろ役割分担をして手伝ってくれました。
そして、子ども達も、時々ちょっとした用事を言いつけられたり、脇であそんだりしながら
大人たちの様子を見て、いろいろ学んでいたのだと思います。

今はいろいろなことが簡単になった分、「生死」とか人間の根幹にかかわるような部分まで子どもたちが
学べなくなっているような気がしますね。

Posted at 06:25:20 2015/06/20 by rainwoman

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kage


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