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リュウくんのこと ( 5 回 目 )

kage

2018/06/19 (Tue)

講演やらなにやらで気ぜわしくまた、記事の更新が途絶えていました。

さて、リュウくんの話の続きです。
ことばを発したいけれどなかなか音を作り出せないリュウくん。

私はカルテをめくり直し、

赤ちゃんだったリュウくんは、テレビの前でおとなしく過ごし、お母さんにとっては
育てやすい子だった、少なくともお母さんがリュウくんの喃語を意識するほど
声を出すことがなかったし、泣くことも笑うことも少なかった、
成長とともにお母さんに伝えたくても何も伝えられないで、癇癪や粗暴行為が始まった・・・

ということを確認し、リュウくんに喃語の時期を通りなおしてもらおうと考えました。

発達には、臨界期というものがあり、3歳を過ぎたリュウくんに1歳前の発達のポイントである
喃語を取り戻してあげられるのか、不安もありましたが、
日本語の音韻への意識が明確化する4歳より幼い段階ではこれしかないと思い、
ことばの練習とは切り離し、音遊びをしました。

私も、そしてお母さんもびっくりしたことにリュウくんは発声発語器官の運動はとても器用で、
いろいろな音をすぐにまねして出してくれました。

ことばとなると全くうまく発音できないのに・・・

私の口元にリュウくんの注意が行き過ぎないように、
動作を入れたり、物を使ったりしながら、楽しく、
でも、リュウくんが興奮しすぎないように穏やかに・・・

そして前々回書いた指差しの練習(実質、指差し+復唱)を並行して実施しました。

リュウくんは音遊びで舌打ちができると復唱の中でも[タ行音]が出だす、
咳払いができると[カ行音]が出だす、というように
獲得した音をことばの中で使えるようになっていきました。

太鼓は初めは『アーオ』それから『ターオ』そして『タアコ』ついに『タイコ』というように
徐々にことばの中でも上手にまねできる音が増えてきました。

これぞ私が狙っていたこと、幼い子はこの言葉はこう発音してなんて意識しないで
自然に聞いたことばが口から出てくるのです。

私は指差しの時はターゲットの音を意識させるような言い方はぜず、
あくまでも自然の高さ、自然の速さの声で「たいこ」とさらりと言い、彼の指差しを確認するだけで
彼が声を出そうが出すまいが無関心を装っています。

上手に言えても、もちろん私は「上手ね~」なんてほめことばは使いません。
それは発話に対する緊張を誘発するだけだからです。

もちろんお母さんもことばが上手に言えても褒めません。

そして訓練開始から半年、ほぼ、すべての音韻を正しく構音し、
絵本を指差しながら物の名前を自分で言うことができるようになりました。
会話も少しずつ成立するようになりました。

でもまだ、二語文がやっとといった感じです。エコラリア(いわゆるオウム返し)もあります。

そんなとき、ご両親は年少になるリュウくんのために普通の幼稚園を選ばれました。

 「えっ?療育センターの通園施設に行かれるのではないのですか?
  (確か療育センターの発達検査の時そう勧められたと聞いていた)」と心配する私に

お母さんは、

 「なんか違うと思ったんです。どうしてこの子はしゃべらないんですかと聞いたとき、
  自閉症だから仕方がないといわれました。生まれつきなんだからお母さんのせいではないと、
  今まで大変でしたねって同情までされて・・・でも・・・

  rainwoman先生はことばが出るように最善を尽くしますと言ってくださったし、
  私にはテレビを消して穏やかで規則正しい生活をと
  私がするべきことを明確にアドバイスしてくださいました。
  そして、リュウはここまで成長しました。

  私たちはrainwoman先生の考えに似た理念を持った園にリュウを通わせたいのです。」

(そっかー、私のせいかー、大丈夫かな?)

園や学校選びは、私は口出しをしないことにしています。
集団の中の子どもの様子は私には見えないし、
受け入れ先に私がいるわけでもないので、無責任にどこが良いなんて言えません。


聞けば、一学年20人未満で、英会話も体育教室も無いとのこと、
テレビも一切見せず子どもたちが穏やかであるということ・・・( いいかもね )

まだ対人恐怖があって、知らない人から声をかけられると思わず奇声が出てしまったり、
泣いてしまったりすることがあるリュウくんですが、園に見学に行ったときは
お母さんのお尻に隠れてはいたものの終始ニコニコしていたとのこと。

 「リュウくん、幼稚園行くの?」   「イクノ」
 「楽しみ?」    「タノシミ」
 「幼稚園で泣くかもねぇ?」    「ナクカモ??? ナカナイ!」

rainwomanの意地悪な質問にうっかりエコラリアになりそうでしたが、
ここはきっぱり泣かないと宣言したりゅうくんでした。


                             ― 続  く ー







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